田中のくせに!!
「あっまどかチャン!!!」
そして…ここで少ししんみりとした空気を見事にぶち壊したのは、またもやあのチャラ男。
「デタ…」
「まどかちゃん、今帰りー?」
チャラ男が囲まれていた女子の輪から抜け出して、あたしの前にやってきた。
友達ができない!なんて言ってた奴だけど、こうやって女子に囲まれている姿はしょっちゅう見かける。
まぁ、それが友達なのかは微妙だけど…。
「俺も一緒に帰る~♪」
「はぁ?」
ニコニコしたまま、そんなことを言い出す瀬名晴人。
「お断りします」
なんで貴重な田中との帰り道を邪魔されなきゃいけないんだ。
「え~!いいじゃ~ん!またラーメン奢るから♪」
「いや、“また”ってなに?一回も奢られたことないんですけど」
「え~、そうだっけ?」
記憶を捏造するなチャラ男!
「じゃぁさ、ラーメンじゃなくてクレープ「今日は無理だから」
あくまで食べ物でつろうとしてくるチャラ男を遮ったのは、険しい顔した田中。
「…あれ?田中くんいたの!?存在感が」
「シバくぞボケカス」
た、田中…いつになく口が悪いよ!?