田中のくせに!!




「好きなタイプは…」



自分のあまりの経験のなさに悲しくなりつつ、考える。




うーん…よく、わかんないかも。そう言われてみれば。




「……優しい人?」




まぁ、無難な答えを言ってみた。




「はー?」



すると、なぜか眉間に皺を寄せる田中。




「超ありきたり、超無難」



「だっだって、優しくないか優しいかって言ったら、優しい人のがいいでしょ?」



「こないだは意地悪な人がいいって言ってたじゃん」



「そ、それは…田中が言ったんじゃん、理想と現実は違うって」




あたしだって分かってるんだよ、


ドラマに出てくるような人、現実世界にはそうそういないって。




「ふーん、優しい人、ねぇ」



なんだか納得いかない感じで、オムライスを食べてる田中。



「じゃぁ田中はどうなの?
田中はどんな女子が好きなわけ?」




…あ。



「俺?」



キョトン、とした感じで顔をあげる田中。




…あれ、やばい…かな?



花凛ちゃんのことがあるから、なんか微妙だなって、今までは田中に恋バナふるのは避けてたんだけど。つい…





「俺はー、カワイイ子」




でも田中は特に気にしていないようで、普通に会話を続けてくれたから、ホッとした。







< 87 / 467 >

この作品をシェア

pagetop