好きって気づけよ。




「ま、舞香ちゃん! 栗原くんを保健室にはこぶの、手伝ってほしいっ」


「絶対いやよ。私に殴られたのは当然のむくいだもの」




え?

舞香ちゃんが栗原くんを、な、殴った?


……いつ?



落ち着きをとりもどしたらしい舞香ちゃんは立ち上がり、ため息をついて栗原くんを見下ろす。


やっぱり舞香ちゃん、まだ栗原くんのこと怒ってるみたい。



でも……




「舞香ちゃん……! お願いっ……」




私ひとりじゃ、長身な栗原くんを運んでいけそうにないもん……。


こんなところに寝かせたままでいるわけにはいかないし、どうしても舞香ちゃんの助けが必要だよ……。



 
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