好きって気づけよ。




「坂野くんにまとわりついてると思えば、今度は栗原くんまで? いい加減にしなよね」


「ふたりとも人気があるのわかってて近づいてるんでしょ。性悪~」




私に向けて言われている言葉。

それはわかっているのだけれど、ついクエスチョンマークが浮かぶ。



だって……身に覚えがなくて。


でも、先輩を怒らせるようなことをしてしまっていたということは、表情を見てすぐに理解した。




「ご、ごめんなさい……っ」




胸の前でぎゅっと手をにぎって、私はふるえる声で先輩にあやまった。

怒らせてしまったことが悲しくて、つい涙目になる。



すると、先輩3人は「うっ……」と1歩あとずさった。


えっ……ど、どうして?



 
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