好きって気づけよ。




「坂野くんも、なにやってるんだろ~……」


「へ? いまなんて?」


「ううんっ! なんでもないよ!」




あわてたように両手をふるレミちゃんに、私は首をかしげて「そう?」と返した。



そしてふと、昨日の放課後を思い出す。

栗原くんに聞かれた、凪くんのそばにいたい理由。



私は少しだまりこんだあと、お茶を飲んでいるレミちゃんほうを向いた。




「レミちゃん」


「ん?」


「恋って、どんな気持ちなの?」




おずおずとそう質問を投げかけた瞬間、レミちゃんはお茶をふき出した。



 
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