好きって気づけよ。




私が涙目でたのむと、凪くんは長くため息をついた。


そして私の頭を、ぽんと優しくなでる。




「そういう顔すんなよ。……わかったから」


「ほんとう!? ありがとう!」


「ったく……」




よかったぁ。

凪くんはやっぱり優しいっ。




「かわいい動物選んであげてね!」


「……後悔すんなよ」




笑顔で言った私に、凪くんはそう小さくぼそりと返したけど、

やっぱり私には聞こえなかった。




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