トルクラトルクラ・ルンタッタ
「カーラさんは、もしかして…」




「そうだよクレア。ずっと前だけど、ぼくらにとてもおいしいパイをやいてくれた人」




「それをくれたのはこの人だけどね」




男の方を見て、つけくわえました。




「そうでしょう?」




トムに言われ、男は言葉をうしない、




きんぎょのように口をパクパクとさせました。




エイディーはなんのことかわからず、トムにたずねます。




男はそれを見て、かんぜんにこおりつきました。




「カーラさんは、ずっと前から、じまんだったんですよ」




だれの?




そんなことは、きくまでもありません。





エイディーは、ゆっくりと、しせんをしぶんのとなりにすわっている男にうつしました。



< 84 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop