人形の妹と王子の兄

「乗ってください」

遠慮しながらも

俺の手を握る妹が緊張してるんだ。


つか…なんか…。


何も語らないまま

妹の肩を抱いて高速道路に入る。

眠りにつく可憐が

実物の人形に見えて寒気を感じてしまう。


「…もしもし」


圭に取りあえず電話するべきだ

と思って車内でかけた。


『ちょうど、今俺もかけようと思ってた』


「…可憐のことだろ……」
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