BLOODY RAINBOW
++1colors



街中の交差点

その中には人々が集う。


虚ろにその様子を見ながらただ家路を歩く。
ヘッドホンをしていてもわかる周囲のざわめき
前には楽しそうに話している他校の女子
横には疲れた顔をしているサラリーマンのおじさん



信号が変わって前へと進んでいく集団
人の波に飲み込まれそうになる
身長は高くないから見えない中、聞こえない中
私はやけにしっかりした足取りで進んでいた。










ふと、空を見上げてみる。

眩しいはずの時間帯の空が眩しくない
というか色がないのだ。

グレーに染まった空
見回してみると空だけじゃない
ビルも、車も、巨大テレビも

さっきまでは周りを見る余裕もなかったはずなのに
そこには誰一人としていなかった。



『…なに、コレ』



ヘッドホンを取ってみても音は何も聞こえない。

とゆうか動いているのは私しかない
さっきまで放送されていたテレビは消えていて
車だって止まっていて、空の雲だって止まっている。




おかしいよ、ここはどこ?







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