花とミツバチ



「?千葉が?」

「はい。取引先の社長さんに藤田先輩のスリーサイズ聞かれて『胸はBくらいしかないと思います』って言い方しちゃって!『そんな言い方ひどい』って泣かせちゃったんです!」

「うわ、お前それはちょっと…」

「千葉くんさすがにひどい!」

「……」



(ごまかして、くれた…)



その言い訳はどうかと思うけど…でも、自分のせいにして誤魔化して。また、優しい姿を知る。



「藤田元気だせ!Bカップも需要あるよ!」

「ほっといてください」

「何だお前、泣くほど胸気にしてるのか。案外可愛いところあるなー」

「本当ですよねぇ」



あはは、と一気に笑顔にあふれるその場
彼の作り出すその空気に、またつられて笑う。



虚しい現実に涙はこぼれて、苦しくて悲しい気持ちが込み上げた。

だけど、不思議とすっきりとした。



断ち切れずにいた想いは、腕に絡んで肌に食い込み傷を残す。

それでも今ようやく、それがほどけた気がした。



絡んだものをひとつひとつ丁寧に外してくれる、その手があるから。






< 181 / 261 >

この作品をシェア

pagetop