花とミツバチ

「意を決して告白したら『好きな人がいるから』って断られたらしくて」

「……」



ち、千葉くんが…告白されて、断った。

つまり好きな人っていうのは、私のこと…だよね？



「…、」



その話を聞きながら見れば、女の子は顔を真っ赤にしてぐすぐすと泣きじゃくっている。



「あの子千葉くんのこと好きで有名だったから…その分ショックなんだと思いますよー」

「……」



その泣き顔に、思ってしまった。

あの子みたいにずっと千葉くんを見ていた人を差し置いてまで、私が彼の隣にいる資格なんてあるんだろうかって。



自分の気持ちが軽いわけじゃない。ちゃんと気持ちはあって、好き。

だけど真っ直ぐな彼にはもっと似合う子がいるんじゃないか、不倫なんてしていたような私よりもっとふさわしい人が、



込み上げる、そんな不安