花とミツバチ



「…サンドイッチ、ありがとう。お礼にこれあげる」

「?」



そうデスクの引き出しから取り出したのは、時々合間につまんでいる個装された小さなチョコレート。

彼はそれを手のひらに受け取り、キラキラと目を輝かせる。



「あ、ありがとうございます!懐に入れてとっておきます!宝物にします!」

「いや、食べてよ。チョコレートだし」

「けどもったいなくて…」

「それくらい、いくらでもまたあげるから」

「…はい!」





今はまだ、私の心を占めるのはあの人

だけど

全くありえないと思っていた気持ちにも

変化はありえるかもしれない



心の中に現れた小さな存在

まだ形だけ、少しだけの恋人






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