『※ BLではありません。』

『孤児院にでも引き取ってもらいましょう』


間違えはない。


確かに俺の祖母がそう言った。




孤児院?


孤児院って、身寄りのない子が行くっていう
あの施設だろ?


いや、そりゃ、別に孤児院自体に思うところはないけど…。
ハルには楓もいて、桐もいて、それに…


それに、俺だっている。


ばあちゃんもじいちゃんも俺の親父もお袋も。


なんでわざわざそんな追い出すようなことしなきゃいけねぇんだよ。


ハルがなんかしたのかよ。




固まって動けない俺の頭の中を思考がぐるぐる忙しく回り始める。



てか、俺、ここに何しに来たんだっけ。


落ち着け。落ち着け。


ここで感情的に事を起こすと後悔することになる、と、17年の俺の経験がいっていた。


そもそもなんでそんな話になったんだ?


いや、それよりも、もっと、重大な何かを忘れている気が……


段々と衝撃がおさまってきて俺はようやっと
大事な事を思い出した。





ハル…!!








< 59 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop