君と私のたんぼ道
「…私、空が好き。」

優衣はニコッって笑った。

「そう、その調子!一緒に頑張ろ?」

コクリと頷く。

そっか。
私空が好きだったんだ。
だから空にドキドキしたり、顔が赤くなったりしたんだ。

「私、頑張るね。誰にも負けないぐらい空を好きになる。」

「うん、じゃあそろそろ私帰るね。バイバイ!」

「バイバイ!」

優衣を見送ってからまた自分の部屋に戻った。

空。
私の頭の中はそれだけでいっぱいだった。
私に生きる希望を、生きてる楽しさを、素晴らしさを、教えてくれた人。

空の笑顔はたくさんの人を幸せにさせる。
私も幸せにしてくれた。
大好きな人。

でも、空と私は釣り合わない。
天と地の差。

あんなに眩しくて輝いているひとと一緒にいてはいけない。
これは私の宿命。

でもちょっとだけ私も幸せになっていいですか?
< 53 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop