明日も。今日も。
第1章

第1節

夢を見た気がした


ワイワイと聞いたことのないたくさんの声が渦巻き、交じり合うそんな夢。


「…ふっ…」


自然と自嘲的な笑みがこぼれた


何を馬鹿なことを言っているんだと脳が告げる…



そのとき、不意に肩をたたかれた・・・


「櫻さん。お薬の時間ですよ」


目の前にいる彼女はふわりと笑った。


こくり。静かに頷く。


彼女はまた優しく笑い袋に入った薬を差し出してきた。


薬を飲み終わると彼女は


「具合はどう?」


いつもと変わらないやり取りをする。


再びこくりと頷くと
彼女は何事もなかったかのように
その場を立ち去った


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