好きなもんは好き。
気付いた想い







香山さんは昼休みになっても、女子の大群に囲まれていた。






休み時間になるたびに学校探検に連れ出されてたからね…、多分学校5周くらいしたんじゃないかな?






「紫乃〜、屋上行ってご飯食べよ〜!」





「いいけど…、香山さんと喋らなくていいの?舞香好きそうなのに。」






「うん!めっちゃ可愛いよね!惚れそう!!でも、今は女子に囲まれてるし、あたしが行っても余計困ると思うからまたいつかで大丈夫!」







左にお弁当を抱えて右手の親指をあげて言うと、"ふうん、じゃあ行こう?"とさして興味なさそうな返事が返ってきました。








コラ!!紫乃さんあたしにも興味持って!!






ちょっと傷つくから!!








「あたしも学校案内できればいいんだけどね…、未だにこの校舎理解してないからね……」






よく行く場所には慣れたからもう迷わないんだけど、この校舎の構造をまだ理解しきれてないんだよね!!





ああ、あたしの方向音痴さはいつになったら直るのかね?






「2学期になっても理解できてないってよく生活できてるわね。」






「それほどでもないんだけどね〜、へへ、照れるな〜。」





「褒めてないから安心してくれる?」





「あ、あのっ!!すみませんっ!」





なんて紫乃と喋りながら、屋上へ続く階段に足をかけた途端、後ろから透き通った声が聞こえて振り向く。







…、香山さん!!?








お弁当を片手に持って、こっちを向いているのは確実にさっきまで話題に上がっていた美少女、香山さん。








なんで!!?










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