恋愛メンテナンス
clean 20 狙ってないです…
ジッと探るように見られて、

「狙ってないです…」

すんなり答えると、

「俺も今のは、思わずだ…」

私は、頷きながら恥ずかしくて、下を向いた。

「…なぁ?…いつ言ってくれんの?」

「な、何を?…」

頭ん中がパンクしちゃう。

心臓も凄くバクバクしてる。

「そこで、そんなはぐらかす?…じゃあ俺から言っていい?…」

やだやだ、全然永田さんの言ってる日本語が解読出来ないよ。

パニクる!!

「待って!待って!…」

この人、私の気持ち。

もう、とっくに気が付いてる。

言わなきゃ、先に言われちゃう。

好きだって…。

こんな駆け引き、初めて…。

「ガタガタ言うなって…」

そのまま永田さんは、私を押し倒した。

「言うから!言うから黙って聞いて!」

ってか、全然聞いてないどころか鼻息がメチャメチャ荒いんですけど?!

鼻息では納まらなくて、吐息が漏れてるし。

「ちょっ!ちょっとぉぉ!!」

絶対に興奮してる!

「永田さん…私…」

どうしよう…。

告白するのに、何でもう押し倒されてるんだろう。

変なの…ウケる(笑)

「なぁに?」

狭いソファーで横倒れしながら、ギュッと寄り添って私は言った。

「素直に言うね。…私は永田さんが好きです…」

私の言葉の続きを永田さんが言った。

「ずっと側に居たい…だろ?」

「えっ?なんで…」

私は驚いて、永田さんを見つめた。

「人は眠ってる時は無意識って言ってなぁ、一番素直な時なんだってさぁ。あんたの寝顔を見てた時に、あんたは寝言で俺にもう、とっくに告白してるって…知ってた?」

「嘘っ?!…」

もしかして、もしかすると。

あのクリスマスの時の夢。

あの時、私は口走っていたのか?!

「永田王子様、好きです。側に居たいです…って」

永田さんはそう言って見るから。

私は、もう赤面しまくり緊張しまくりで、とてもとても、まともに顔が見られない。

なんて事だ…恥ずかしい。

でも、私はあなたのキラキラがうらやましいの。

少しでもいいから、分けて下さい。

「本気で永田さんが好きっ…」

私は永田さんの胸の中に、うずくまる。

「美空としこ?…あんた素直な時…メチャメチャ可愛いなぁ…」

今のは、どういう意味?

見上げた弾みで。

…チュッ…

軽いキス…

「俺も…好きだって事…」

永いキス…

「…知ってた?…」

離れられないキス…

その合間、合間に視線を合わして…

またキス…

「今始めて…知った…」

そして深いキス …

更に深く沈むキス…

繰り返し、繰り返して視線を合わして…

「俺の彼女に…なる?…」

「…永田さんの彼女に、なりたいです…」
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