恋愛メンテナンス
clean 25 結婚したくない病
結婚したい!…だなんて、言われても。

そんな言葉、全然嬉しくない。

むしろそれが嫌だって事、分かってるはずなのに。

そんな、他人に自分の人生を渡しちゃうような薄っぺらな人生など、絶対に送りたくない。

ましてや、親だとか親戚だとかの付き合いで、そんなもんに愛想よくして媚びるような、安い女にはなりたくない。

簡単にあかの他人が、子ども産んだら幸せだとか、他人が喜ぶだとかも、言われるのも虫酸が走るくらい最悪。

そんなもんで、自分自身の色を無くして、何が幸せなんだ、と言ってやりたいくらい。

だけど、モモちゃんからのメールには。

『最後まで彼の言葉くらいは、聞いてあげてもよかったと思うな』

確かにそうだなぁと、反省。

もし結婚したいって言われたら、答えはもちろんノーだけど。

ホワイトデーで、輝から誘ってくれたお泊りデート。

「なるべく…ずっと一緒に居たい」

そう言われて、前回予定していた温泉宿で一泊旅行。

夜は会席料理を食べて、温泉に入る。

敷布団が引っ付けて有って、ドキドキした。

輝は意外とピュアで、照れて顔を真っ赤にしていた。

「顔赤いよ?やぁ~だぁ、もぉ~変態だねぇ」

「違いますぅ。…風呂上りだから、のぼせてんだよぉ、うるっせぇなぁ…」

輝は、荷物をしまいながら可愛い顔をするから。

「輝ぁん♪」

と、背中にへばりついて甘えてみた。

「怒っちゃやだ、やだぁ~ん♪」

「怒ってませんよーだ…」

でもなんか輝…浮かない顔を、たまにするから気になる。

じゃれ合って、疲れて布団の中に入って、ふと暗闇の中の輝を気にする。

また、真剣な顔して天井を見つめていた。

もしかして、本気で今日「結婚したい」のプロポーズとか、されないよね?

ごめん…私、それ断るよ?

私は、こうやって何時までも恋人同士で居たいの。

付かず離れずで、その危なっかしい関係で毎日ドキドキしたり、不安になったりして、恋心で自分を磨いて居たいんだもの。

「…なぁ、としこ?…そんなに掃除の仕事、楽しい?」

「うん。知らない事ばかり教えて貰えるから、楽しいよ?」

輝はポツリポツリと、呟きながら私に語り掛ける。

「…そうかぁ…」

「汚くて臭くて、誰かの尻拭いばかりでも、仕事は仕事だもの。元々ね、表に出てどうでもいい誰かに愛想振り撒くの、好きじゃないから」

私は輝を見つめて言った。

「影でこっそり働きたいの。ペラペラお喋りな人間を相手にするより、モノ静かで何も語らないモノを相手にする方が気分がいいもの…」

すると輝も私を見て、

「ネクラな女…。でも、ソレ、俺もちょっと共感だな…」

と、笑い合う。



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