妖精と彼女【完】
トウは、初めて会った時と同じ格好をしていた。白い、浴衣のような着物。
トウは、落ち込んでいるようでシュンとしていた。
そして、あたしの右手にそっと触れた。
「…ごめん、こんなことになって。」
「!?」
ふと自分の右手を見ると、トウの手の大きさくらいの、真っ赤な腫れがあった。
「俺が触れたから…こんなことになったんだ…。」
その言葉を皮切りに、彼は「彼について」話してくれた。
「俺ね、本当は温泉の妖精じゃないんだ。本当は、温泉を司る神…。」
「神………」