透明境界線

初めて彼を見たとき、

今までに感じたことのないほどの
甘い衝動に駆られた。



澄んだ深茶の瞳に、
スッと筋の通った高い鼻。
薄くも厚くもない形のいい唇。


そのビー玉のような瞳に、私を映してほしいと思った。

その長い腕で、私を抱きすくめてほしいと思った。



…それが私が恋に堕ちた瞬間。





< 2 / 12 >

この作品をシェア

pagetop