キミが泣くまで、そばにいる


「自分で本人に聞く気はないわけ?」

 かすかに眉をひそめ、セイはまっすぐ私の目を見る。

「……聞いちゃ、いけないような気がして」

 気圧されそうになりながら、どうにか目を逸らさず答えた。

 アカツキに大きな秘密があるとして、王子の犬としてそばにいるだけの私が、踏み込んでいいかわからない。

 尋ねたところで、拒絶されるかもしれない。

 もしそうなったら、私とアカツキの関係も崩れそうで、恐い。

「じゃあ、俺も教えらんねぇ」

 金色の髪を揺らし、セイがソファにもたれる。

 私の失望に気づき、彼は嫌そうに唇を引き伸ばした。

「仮に、アカツキに秘密があったとして、ちィはそれを知ってどーすんの?」

「え……」

 セイの切れ長の目が、冷たく細まる。まとっていたチャラい空気が一瞬冴え渡った。

「脅すか? 自分が脅されたみたいに」

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