キミが泣くまで、そばにいる


 学校から一度帰宅して着替えてきたという彼女は今日、漆黒の髪を高い位置でお団子に結び、淡い色のリボン付きブラウスに水色のキュロットスカートを合わせていた。

 レミのときも思ったけど、美少女は制服でも私服でもかわいい。もう何を着ても似合う。

 さすがアカツキのお姉さんだ。終始にこにこしているし、朱里さんが人見知りなんて、今では信じられない。

「朱里さんて、セイのこと、知ってるんですよね?」

 キタイチの話が一段落したところで水を向けてみる。
 彼女はアカツキとよく似た丸くて大きな目を、ぱちんと瞬いた。

「セイ?」

「あっと、星野彗です。アカツキと同じ中学の出身で、今は金髪の」

 フランボワーズケーキにフォークを入れて、朱里さんは思い出したようにつぶやく。

「星野? ああ、星野総合病院の関係者かな」

「星野総合……? たぶんそれです。病院の息子って言ってたし。アカツキと仲がいいから、朱里さんも知り合いなのかなと」


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