キミが泣くまで、そばにいる

1 本当に?



 * * *

 期末テストが終わると、土日を挟んで答案の返却期間になった。

 窓の外からはセミの重奏が聞こえてくる。

 この季節になると日差しがきつそうなアカツキの席は、ここ3日空っぽだ。

 最後に彼を見たのは土曜日。セイたちと告別式に参列したときだった。

 制服姿で遺族席に座っていたアカツキは、笑ってこそいなかったけれど、悲しそうな顔もしていなかった。

 涙も、なかった。

 ただじっと、前を向いて座っているだけだった。


「このまま夏休み突入かなぁ、アカツキくん」

 窓際の席を見て、少し寂しそうに、レミがつぶやく。

 土日が重なったこともあって、アカツキのお母さんが亡くなったことはあまり知られていない。

 私とレミとセイたちと、ごくわずかな人たちだけが、日常のかたすみでアカツキを気にかけている。

< 231 / 273 >

この作品をシェア

pagetop