キミが泣くまで、そばにいる


 数日前の学校帰り、いつものように連れ立ってファストフード店に行く途中で、セイが他校の女子生徒に告白された。

 それをきっかけに、5人それぞれの”告白された場合の断り方”についての話題になったのだ。

 これまで一度も告白されたことがない私からしたら、嫌味以外のなんでもない。

 そもそも、愛の告白をしたり、受けたりという行為は、人生において大きなイベントであるはず。

 少なくとも私にとっては、一生に1度か2度、あるいは希望を持って3度、起こるか起こらないかの重大な出来事だ。

 でも彼らにとっては、告白を受けるなんて日々の日課のように、取るに足らないことらしい。

 ……なんてことだ。神様は不公平です。


 ちなみにその日、他校の女子生徒を振ったセイの断り文句は、『彼女がいるから』だった。


 セイは彼女がいないときに告白されると『顔面直してこい』(ひどすぎる!)あるいは『キミ合格!』という返事をするらしい。

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