鬼神様と××しました
「ああ。つまり、お前の存在も…お前の母親だったあの妖怪の存在も、初めからなかったことにした。だから近所や不動産屋とか…お前らのことは、知らない」


そ、そんなことが…できるなんて……



「俺たちの力なら、それくらいのこと余裕できる。戸籍なんて簡単に操れるし、人の記憶を奪うことも…何でもできるんだ」

「…すごい」


凄すぎる!




「…これは提案なんだけど・・お前さえ良かったら…俺んちで暮らさないか?」

「…!」


源喜さんの…家で?




「俺の家族は、お前を受け入れてるし…部屋だって余ってるし…俺んちからだったら、学校も通えるだろ」

「そうですけど…でも……」

「本当にお前がうちに住むなら、住所変更とか…細かいことは、俺が簡単にやれるから、お前も心配ないだろ」



源喜さん…




「ま、すぐにとは言わねえよ。ちょっと考えてみてくれ」

「………はい」

「とりあえず、お前の荷物は俺の家に運んだ。必要なら、純麻に言って案内してもらえ」

「はい…」


そう言って、先に家に入ろうとする源喜さん。



「あ、待って下さい!」


私は、源喜さんを引き止めた。




「本当に…色々ありがとうございました。源喜さんがいなかったら、私…」


源喜さんに、深々と頭を下げる。



「婚約者を助けねえ奴とは、結婚しない方がいいよ」




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