性別「少年」属性「乙女」
「君を傷つけた。ずっと、会いにもいかなかった。憎むことで、忘れようとしてた。……すまなかった」

「おじさん」

「君が、生きててくれて、よかった」


おじさんが、そっと、ボクの頭を撫でてくれる。

その手が、とても優しくて。

温かくて。


「……マコト」


ボクは、泣いていた。

涙があふれて、止まらない。

どうしてボク、こんなに泣き虫なんだろう。

父さんにあんなに、男らしくなれ、って言われているのに。


でも。

嬉しいんだ。

ずっとずっと、小さい頃の記憶が、痛かった。

壁に頭を繰り返し叩きつけられた、ボクの最初の記憶。

今なら分かる。

ボクはいらない子どもなんだ、って、心のどこかで、ずっと思ってた。


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