性別「少年」属性「乙女」

違ってても

「ありがとう。みっちゃん。吉田。ボク、絶対嫌われちゃったと、思ってた」

「そんなんで、嫌いになるような付き合いじゃないって」

「ホント、まこちゃんはもうちょっと、自分に自信持っていいよ?ね、陸さん」


みっちゃんが、窓際に立っていた陸さんに、声をかける。

あれ。

陸さん、何か考えごと、してたのかな。

一瞬、つらそうな視線だと思ったけど、瞬きをひとつして、陸さんは笑顔になった。


「マコトみたいに、いい子はいないよ」

「陸さん」


なんだか、胸の中に、安心して眠れるような、あったかいものをそっと置いてもらったみたい。

誰に言われるより、陸さんに言ってもらえると、本当に幸せな気持ちになれるんだ。

陸さんの思う通りの、自分になりたいな。

陸さんがいてくれると、ボク、頑張らなくちゃ、って思えるよ。


「ありがとう、陸さん」

「ほら、マコト。せっかく陸さんが買ってきてくれたんだから、早く食べろよ。なくなっちゃうぞ」

「あ、ひどいよ吉田。あと2つしかないじゃないか」

「一応、ダースで買ってきたんだけどね」
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