性別「少年」属性「乙女」
ボクはまだ、女の子を、好きになったことがない。


誰でも、初恋はあるって、本でもドラマでも言ってる。


だけど、ボクはまだ、恋をしたことがない。


「なあなあ、堀井って、かわいいよな」


クラスメートの吉田が、ボクの肩に腕を回して、寄りかかりながら話しかけてくる。


「そうかな」
「かっわいいよ!いいよなー、マコトは。堀井と幼なじみなんだろ?」
「だったら、紹介しようか?」
「マジ?」


ボクは、うなずく。
吉田が、嬉しそうに、笑う。


「サンキュー!持つべきものは、女子に顔が利く友達だな」
「やめてよ、大袈裟だって」


抱きしめられて、その熱と力強さに、少し、気持ちが暖かくなる。
こんなに喜んでくれるんだ。


そんなに、楽しいことなのかな。
誰かを好きになることって。
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