幻想

三号車

 都会にいても下町にいても、人ってたくさんいるんだな、とあげまんじゅうを食べながら鈴音は思った。焼きたてだから、と店員に連呼され、仕方なく三個買った。その選択は常に感情を殺し、無表情を崩すことのない鈴音を幸福な気持ちにさせた。
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