Tea Time

しばらくして、唇を離すと、彼女の目は潤んでいて、放心したように焦点が定まっていなかった。
頬に添えた手でゆっくりとなでると、彼女は大きくまばたきをして、そのままじっと見つめ合う。


そうこうしているうちに、終点に着いた。


彼女の腕を支えながら、地面に降りると、まだぼーっとしている。


「さよなら」


それだけ、言い残すと、彼女は振り返りもせずに駅へ消えて行った。
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