不器用桐谷さんと桜井くん
冷たいひと。
桜が満開に咲き誇っている校舎の中



今日、私は高校1年生なりました―。



昇降口―。真新しい、履き慣れていない上履きをはいて、クラス表を後ろの方で見ていると



「小春~!」



祐希が手を振りながら駆け寄ってきた。



私は、手を振る代わりに、おはよ。とあいさつを。



「クラス、どうだった!?」



高校生とは思えないほどはしゃいでいる祐希。



まぁ、こういうところが可愛いんだけど。



「今、見てる。」



自分の名前を探していると、



「あ!あったよ。心春の名前」



と祐希の指差す方を見る



桐谷心春(きりたに、こはる)



私の名前があって、その2つ下には



楠祐希(くすのき、ゆき)



と祐希の名前もあった。



「同じクラスだね」



「うん!!」



嬉しそうに微笑む祐希。



祐希は、家が近所で昔から仲がいい。



簡単にいうと、幼馴染み。



祐希と同じクラスになれて、私は一段落できた―。



それから、始業式が終わって下校の時間になったのだけど、、、



「ねぇ、桐谷さん。これからよろしくね!!」



「桐谷さん、凄く美人だね~」



「うんうん!スタイルいいし肌きれいだし」

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