LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
「今住んでるアパートを引き払って、実家に帰ろうと思う。だから…」

 雄二は立ち上がり、デスクの引き出しを開ける。そして、茶封筒をひとつ取りだし、またソファに座った。そして、それを深空に差し出す。

 深空は、その封筒の中身が何かを察した。その瞬間から、怒りで顔が紅潮していく。

「つまり、それで手術を受けてほしいってこと? だから、今日ふたりっきりで出かけたってわけ? あたしへの思い出のために?」

 深空の強い口調が雄二を責め立てる。

「ごめん…」

 そんな深空の言葉をすべて受け止めるように頭を下げ、彼は言った。

「…否定、しないんだね」

 深いため息を吐き、深空の胸がズキンと痛む…

 彼女はつい昨日の夜のことを思い出し、それ以上彼を責める言葉が頭からすーっと消えていく。

「やめてよ… そんなのずるい」

 深空は、彼の肩を起こそうとした。

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