LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
「何だよ、浮かない顔して」

 十一時過ぎに帰ってきた雄二は、出迎えた深空の顔を見て、眉をひそめた。

「うぅん… なんでもないの」

 そんなことを口にしながらも、顔は残念そうにしている深空。首を傾げながら、雄二はスーツから部屋着に着替え始めた。

 深空は、さっき作った簡単な彼のご飯の支度をするのに、キッチンに立った。

 その時だった。玄関先に置いてある、固定電話のベルが鳴り出したのだ。彼がナンバーを確認すると、"実家"と表示されていた。雄二は素早く部屋着のズボンを穿くと、その電話に出た。

「もしもし… あ、お袋。どした?」

 いつもの様に電話を取る雄二だったが、すぐに彼の顔は険しくなっていく。その様子をキッチンで見ていた深空は、何事かと急に胸がざわついた。

「え…?」

 知らせを受けて、彼の表情に影がさした。そしてその衝撃のあまり、彼の体は死後硬直の如く、固まっていた。

 しばらくして、我に返った雄二。

「…ごめん」

 やっとそのひとことを口にして、話の続きを聞いていた。

「…そうか、うん、解った… うん… うん…」

 彼の顔は険しいまま、電話の向こうの節子と話をしている。深空はおかずの皿をテーブルに置いて、彼の横に立っていた。

「明日、すぐに行くよ…」

 彼はそう告げて、受話器を置いた。そして、沈痛の面持ちでその場に立ち尽くしていた。
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