LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
 深雪があらかじめ敷いておいた布団の上に横になるのを見届けると、深空はつむじ風が起きたアパートの外にもう一度戻った。しかしそこには、桜の花びらが落ちているだけで、もう誰もいなかった。

(…確かにあれは)

 今までだって一度たりとも忘れたことなどない。

(先生だった…)

深空は自分の肩を抱き、その落ちた桜の花びらを見つめていた。



(まさか…、ね)

 寝息をたてた深雪が眠る横で、深空は体を起こし考えていた。

 さっきのあの情景が頭の中で浮かぶと、深空は小さくため息を吐いていた。

(考えすぎかな… 今更…だし)

 もちろん、嫌いで別れたわけではない。しかし、今の生活の中に雄二の存在が想像できないのだ。

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