LOVE GAME〜あたしの帰る場所〜
「え…?」

 薫の言葉を受けて、深空の眉がぴくりと動いた。

「部署の大幅縮小で派遣から切られるみたいなの!!」

「そんな… だってそんなのあたし、困る…」

(どうやって生活していけばいいのよ…)

 深空は、目を伏せて唇を噛んだ。

 産後、やっと決まった仕事が無くなってしまう…?

「本当なんですか…?」

「ウソじゃないわよー。さっき、喫煙室の前を通り掛かったら、次長と長谷部課長がそんな話をしているのを聞いてしまったの。派遣はほとんど切るってハナシよ…?」

「ほとんど…? じゃ、残れる人もいるのかな」

 深空がそう口にすると、薫は顔を曇らせる。

「期待しないほうがいいわ。給料、下がるわよ」

 薫の更なる追い討ちに、深空は立ち尽くしていた。そんな彼女に、薫は眉をひそめ、また口を開く。

「うちは旦那がいるからいいけど… 深空ちゃんの家はリストラにあったら厳しいわよね…」

 彼女は、同情するように深空を見つめていた。しかし深空は笑いながら首を横に振った。

「大丈夫。なんとかなるし。ありがとう」

 すると薫も深空につられて何となく笑みを浮かべた。

「…深空ちゃん、まだ若いもんね」

 薫がそう言うと、深空は大きくうなずいた。

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