計算づけのヒロインが愛した正義のヒーロー

酒がどんどん進んで

過去のことなんてどうでもよく思える。


「…やり直せないかしら」

「は…何言ってる」


「私、まだ誠人が好き…。

それに、」


近くなるきららの顔が

俺の耳にそっと囁いてきた。


「…妊娠したの、責任…とって」


ぞっと鳥肌がたつ瞬間だった。


「だめだって分かっているわ…

誠人とまた恋人になれるなら…

モデルもやめてもいいから…、

お金もあるし、美味しい話だと思うわ」


「だから、昼に酒飲みたいって言ったのか」


「…あそこで言ったら、

騒いじゃうでしょ」
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