青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。


そらされることのない視線が、嬉しい。

慎也は少しだけ頬を染めて、それでも真剣な表情で、言った。



「…麗奈のことが、好きです。…俺と、付き合って下さい」



…あの、雨の日。

この通学路で、君に恋をした。

夏の青色が、あたしの心を透明にする。


…あたしは利乃に負けないくらい、慎也の大切な人になってみせるから。

瞳に涙がじわりとたまる。

それでも精一杯に、笑ったら。


「…はい」


君も、柔らかく笑い返してくれるから。

…たくさんの『青』が、あたしたちを包む。

また四人で、笑いあえるように。



きっとあたしの大切な人が、明日もわらっていますように。






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