青に染まる夏の日、君の大切なひとになれたなら。



…もともと、勉強なんかするタイプじゃない。

成績なんか、下がる一方だ。


そして、進路調査票に何もかけないまま、数日が経ったある日の朝。

俺はものすごく、不機嫌だった。

兄貴がまた何かやらかしたのか、親は不機嫌で。

朝食をとっていた俺にまで、期末テストの結果をぐちぐちと言ってきた。

完全にとばっちりだ。

兄貴が親を怒らせなきゃ、俺は何も言われなかった。

イライライライラ。

今にも舌打ちをしそうなほど苛ついた顔で、教室へ入る。

普段能天気に過ごしている俺が、こんな風になっているのは初めてだからか、みんなが驚いた。

そして、執拗に心配してくる。

いや、嬉しいけどさ。

心配してくれるのは、ありがたいんだけどさぁ。

みんなの言葉を聞いていると、無理にでも笑わないといけない気がした。


『いつも笑ってる俺』じゃないと受け入れてもらえない気がして、怖くなった。


『あーー……だりぃ』

そんなことをつぶやきながら、昼休みは誰にも何も言わずに、屋上へ行った。


< 51 / 380 >

この作品をシェア

pagetop