GIRL Story

なるように

GOLDに秀樹さんに呼ばれたあの日、茉莉亜は1つの契約をしていた。

｢俺アクエリ潰すから。｣

そう言われた茉莉亜は一瞬では意味が解らなかった。

｢ホストクラブを出すんだ。｣

秀樹さんはアクエリで雇われ店長だった。
でもアクエリのオーナーは秀樹さんをかなり見込んでいて、
秀樹さんが店長を辞めるならアクエリの看板も一緒に下ろす決断をした。

(そっか･･･。)

そうなると茉莉亜のツケの話が出てくるのは自然の流れ。

｢どちらか好きな方を選んで欲しい。｣

そう言って秀樹さんが茉莉亜に2択を出した。

｢一つは今月までにツケを一括する。｣

茉莉亜の目を見たまま続ける。

｢もう1つは、ツケは全てチャラにする代わりに出資金300万円の俺の保証人になる。｣

今月は残す所後5日しかない。

状況を読んだ茉莉亜は無表情で顔で答えを出した。

｢契約書持ってきてるんでしょ!｣

スッとカバンから借用書を出し茉莉亜に見せる。

秀樹さんは始めから茉莉亜を保証人にしようとこの話を持ちかけてきた。


得体の知れない借用書。
これで茉莉亜は自分から選んで保証人になった事になる。

成功した。と言うような笑みを浮かべる秀樹さんの顔は醜かった。
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