恋の糸がほどける前に

────言われた瞬間。


どうしてだろう。


……やっぱり、って思った。


そんな自分に、思わず笑ってしまう。



「どうして笑ってるの」


「いや？……おまえ、わざわざ亮馬に言うなよ。俺と葉純が付き合ってなかった、って」


「え！？言うよ！そうしたら、亮馬くんはきっと葉純ちゃんに伝えられるでしょ？好きだって」


「それはお前が手助けすることじゃない。あいつらが自分たちで辿り着かなきゃいけないことだろ」



そうじゃなきゃ、もし付き合ったってこれからうまくいくわけない。

些細なすれ違いで、相手を想いすぎて、ホントの自分を殺して、ダメになる。



「お前はただ、亮馬と一緒にいるのをやめるだけでいいよ」


そこからふたりがどこに辿り着くのかは、あいつら次第なんだから。