始まりは恋の後始末 ~君が好きだから嘘をつく side story~
2人の関係
さっきまで乱れる呼吸を落ち着かせるように、彼は軽い抱擁と優しいキスをあちこちに落としてくれた。
こんな風に終わった後まで満たしてくれる人ってなかなかいないと思う。
終わってキスをしてくれても、体力を消耗してそのまま寝てしまう人やシャワーを浴びに行く人、タバコを吸い出す人は多いと思う。
きっと澤田くんだってそのどれかをしたいと思うけど、彼は気を使ってかそばにいてくれる。 
ゆるい愛撫に私が応えるまで、私を腕の中にいさせてくれる。
それに私がどれだけ満たされているか分かっているかな?
探るように彼に視線を送ると、私の髪を後ろにすきながら甘く押し付けるようにキスをしてきた。

 ー甘い、甘すぎるー

こんなに甘やかされたら、どうしたらいいのか分からないよ。
与えてくれたキスにお返しはできなかった。
ただこの甘い時間を過ごすことは決して嫌ではなくて、彼の肩に顔を寄せた。
それから少しの間彼との素肌の抱擁を堪能してから、「コーヒーでも淹れるね」と身体を起こした。
ベッド周りを見ても洋服が見あたらない。下着も・・ない。
私がキョロキョロと探しているのを見て彼も起き上がった。
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