チャラ男とちょうちょ
裕貴と会うときはいつも真夜中か明け方で、こんな風に昼間に出歩くなんてしなかった。
今思えば本当に裕貴が気を遣ってくれていた部分はあると思うけど、実際のところ他の女の子にバレたらめんどくさいことになるからその時間帯を選んでいたんじゃないかなぁなんて思う。
その点龍さんは、人目なんて気にしないでこうやって昼間に連れ出してくれる。
そりゃああの時とは状況もちょっと違うけど、龍さんは裕貴なんかより全然知名度が上だ。

(裕貴にも、これぐらいの気持ちがあったらな…。あ、でもあったとしたらあんな思いなんてしなくて済んでたか)

そう思うのに、ほんのたった数十メートルを指を絡めて歩いた時のことを思い出した。

そんなことばかり考えてしまうのは、裕貴が電話なんかしてきたからだと自分に言い聞かせていた。
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