チャラ男とちょうちょ
いつものように、あたしは裕貴に抱かれた。

「消えちゃったね」

あたしにつけたキスマークが消えてるのに気づいた裕貴が言った。
行為が終わると、あたしは服を着た。

「え…?」

裕貴は驚いたようだった。

「明日、撮影で早いんだ」

「うちから行けばいいじゃん!オレ、送るし」

「明るい時間なのに?」

「………」

「できもしないこと、簡単に口にしないで」

あたしは、吐き捨てるようにそう言って部屋を後にした。

(あーあ、これで完全に嫌われちゃったな)

撮影なんてあるわけないけど、裕貴と一緒にいるのがキツかった。
あたしはきっとキツイことをぽんぽん言ってしまうに違いないし、裕貴を傷付けることはやっぱりできない。
それに、めんどくさい女だなんて思われたくなかったのだ。
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