チャラ男とちょうちょ
すぐに看板は変えらた。
飲み屋街の入り口や、量販店にまで看板が出たからびっくりした。

「オレ、これが好き」

裕貴は、kissのビルの一番上の看板を写メったのをあたしに見せた。
看板は全部探して全部写メったと言う。

「待受、これにしよっかな〜」

「やめてよ!見られたらめんどくさいことに巻き込まれるんじゃない?」

あたしは、またイヤミっぽい言い方をしたことに後悔をした。

「別に困んないけど」

「はいはい」

あたしは軽く流して雑誌に視線を落とした。

(絶対困るくせに、バレない自信でもあんのかよ!)

困らないと言い切った裕貴にイラっとした。
そんなあたしの雰囲気を察してか、裕貴が後ろからあたしをぎゅっとした。

「何すんの?」

「携帯見て」

「?」

あたしは腕をいっぱい伸ばした裕貴の手に握られた携帯を、言われた通り見る。
それと同じくらいのタイミングで、裕貴はあたしのほっぺたにキスをした。
すぐに携帯のシャッター音が鳴った。


「あはは!この真奈美、素でかわいい♪」

裕貴はそう言ってそれを待受画面にした。
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