黒愛−kuroai−
◇◇◇
翌日早朝。
2時間の睡眠でも
眠気はない。
楽しくてウキウキして、
目覚ましが鳴る前に目覚めてしまった。
Tシャツ、ショートパンツ姿で外に出て、大きく伸び上がる。
新鮮な朝日と清々しい空気。
ああ、何て気持ち良い朝なのだろう。
自転車を走らせる。
車通りは少なく、人通りもほぼない。
見かけたのは新聞配達のおじさんくらいだ。
15分のサイクリングを楽しみ、
2階建て普通の一軒家で自転車を止めた。
ここは柊也先輩の自宅。
ブルーのカーテンが閉まる2階の窓、あの部屋で彼はまだ夢の中。
白い封筒をバックから取り出した。
宛名面には彼の名前を印字。
差出人名はもちろん書かない。