誰よりも優しい総長様


「今日はどうしたんだい?」


あたしはそういうおじさんの前に行って口を開いた。


「おじさん、どういうことですか?あたしがSクラスだなんて。あたしはもう抜けたんだよ?」


そう、あたしは抜けた。


あの場所から


足を洗ったんだ。


「それはゆずちゃんの思い込みでしょ?みんなはまだゆずちゃんのこと探してるよ。つまり、君はまだあちら側の人間なんだよ。」


探してる?


みんなが?


あたしを?


そんなことを考えていると急に恐怖に襲われた。


あの日のことがあたしの中をかけ巡ってきた。


思い出したくないあの日のこと。


どうする事もできないんだ。


そう思っていた時ふと、あたしの意識は途切れた。


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