誰よりも優しい総長様


「ねぇ、慶。もしも悪いって思ってるなら、連れてって欲しいところがあるの。」


「あぁ。」


この真実はいつまでも隠すべきものじゃない。


これはあたしの気持ちにケリを付ける為のものでもあるから。


そしてあたしはまたさっきみたいに慶の後ろに乗ると目的地まで走り出した。


走ってる間はお互いが沈黙でただ車とタイヤを転がす音だけが響いていた。


そして着いたのは、街から少し離れたとこに立ってる建物。


そう、羨美の倉庫へ来ていた。


ここへ来るのはあの日以来初めてだった。


「ほんとにいいのか?」

慶は心配そうにあたしの顔をのぞき込んでいた。


コクン


あたしは何も言わずにただ一度頷いた。


するとそれを合図にでもするように慶は扉をあけた。


扉をあけた瞬間に見えたのはみんなの驚く顔だった。


「柚那さん!?!?」


あたしはそれに返事をせずにまずは慶と共に幹部室へ向かった。


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