誰よりも優しい総長様


店の外に出てみるとそこには男たちに腕を掴まれてる卯月の姿があった。


「ちょっ、やめてよ!友達待ってんだから。」


「いいじゃん、ちょっとぐらい俺らとも遊ぼうぜ。」


あたしは、すぐに卯月の元へと向かった。


「ちょっと、何やってんのよ。嫌がってるじゃない離しなさいよ!」


そう言って1人の男の腕を掴んだ。


「んにすんだよ!」


そう言って男はあたしの方へと振り返った。


「って、こっちの子も可愛いじゃん。」


そう言って今度はあたしの方に絡んできた。


「柚那ちゃん!」


そう呼ぶ卯月の声にあたしに絡んでいた男は一瞬顔を歪ませた。


「柚那…神崎 柚那か…」


「だったら何よ?」


すると男は一気に笑顔になった。


その行動にあたしは咄嗟に寒気がした。


「へぇー、えらくべっぴんになったもんだ。あの方も喜ばれるだろうな。」


そんな男の言葉にあたしは体が震え始めた。


そして不意にあの時の記憶を思い出してしまった。


関係のないはずのあの時の記憶を。


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