誰よりも優しい総長様


「卯月、とりあえず落ち着け。ゆっくりでいいから。それに聖奏からも連絡来てるから。」


「聖奏くんから?」


「あぁ、だから落ち着け。」


どうやら敵の副総長は聖奏というらしい。


なんてどーでもいい情報を浮かべながら俺らは卯月ちゃんが落ち着くのを待った。


しばらくして


カップを持つ手もだいぶ平常を取り戻し、焦った様子は消えていた。


「んで、卯月。柚那がどうしたって?」


「あ!そうそう!それを言いたかったの!」


どうやら平常を取り戻した時にそのことが頭から抜け落ちていたらしい…汗


「柚那ちゃんがね、あたしを逃がすのを条件に相手に、相手に…」


卯月ちゃんはそこで言葉を詰まらせた。


だが、その先はたぶん俺らの考えていた事態だと予測はついていた。


「新たな動きがありました!」


そうパソコンから目を離すことなく伊月が叫んだ。


「どうした、伊月。」


「今日辺りに天山 テンザン 、秦隆 シンリュウ辺りが乗り込むらしいです。」


「時間は?」


「今のところ変更が出ない限り19:30頃だと見られています。」


俺はそこで頭をひねらせた。


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