逢いたい~桜に還る想い~
────重苦しい沈黙が流れ……
それを破ったのは、郁生くんだった。
「………帰ろ?」
「え……?」
「運転、出来る?
家に……帰ろ? トーコさん………」
「…………」
あたしは返事する代わりに、後部席のドアを開け、
───ゆっくりと、運転席に乗り込んだ。
キーを回して、エンジンを掛けながら、
「………っ……」
ふと、涙が込み上げてきて……それは、嗚咽に変わった。
「トーコさん………」
助手席の郁生くんが手を伸ばしてきて、
ふんわりとあたしの頭を撫でる。